アクト-レヴュードライブ

備忘録的なものです。

『センコロール コネクト』感想─先鋭的なビジュアルで魅せる圧倒的アニメーション。

センコロール オリジナルサウンドトラック

人生における最大の罪は二つあります。一つは岸田メルること(多分あと三日もすれば通じなくなる)、もう一つは映画に遅刻することです。映画に遅刻するとはつまり映画の上映時間に間に合わないということですね。僕は今回四分遅刻しました。しにたいです。

※ネタバレ注意!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全然知らない作品だったので非常に楽しく観れたんですが、なんと監督があの『デジモンアドベンチャーtri.』のキャラデザの人。僕は『デジモンアドベンチャー』は観てないので『tri』も観に行きませんでしたが、世代の兄が激怒してこき下ろしてました。TLでも概ねそんな感じだったので、不名誉を背負う羽目になってかわいそうだな……と勝手に思っています。

まずレイアウトが全体的に素晴らしいんですよね。僕はレイアウトの専門家ではないので詳しいことはわからないのですが、それでもこう、スタイリッシュさを感じさせる画面構成は非常に良い。所謂『エヴァ』的な良さがあります。

作画も当然ながら凄いです。『2』の方では一人原画は無くなりましたが、『1』ではおそらく動画まで含めて全部一人でやっていると考えると化け物か?となる作画です。動きが非常に気持ちいいんですよね。センコの変形やドローンの動作等々。なんというか、「そういう世代」にバッチリとヒット飛ばしに行ってる感じです。とりあえず僕は大好きなのですが……。

あと個人的な話としてはキャラデザが非常に好みです。ユキちゃんはかわいくてかっこよくて最高ですね。カナメとの百合も素晴らしい……。

センコロール2』は近年の流行を受けて百合要素を取り入れているのも特徴的な部分です。ユキとカナメの関係性の変化に注目して観てみてください。

それと素晴らしいのはドローンの全体的な描写です。所謂「キモカワ」的な萌えを感じる作画で非常に好きですね。ゆるキャラとしても通用すると思います。センコは主役級なだけあって劇中での描写も屈指のかわいさがあります。

 

ストーリーですか?オタクが好きそうなやつといえば多分大体の人に伝わるんじゃないかと思います。

作中全体を通してわかってる人物による謎の設定用語連打やなんかこう重要そうなことをやっているけど視聴者には何も伝わってこないストーリーテリング、かと思えば仕組みの詳細が目で見て取れる微に入り細に入る演出など、要するに「本筋に関しては何もわからないけど脇は固まってる」0年代オタクが非常に好みそうな作品ですね。

僕個人の信条として「あらゆる作品のあらゆる描写には意味がある」というものを掲げているんですが、この作品そういうものを読み取らせようという気概が非常に希薄な感じで、おそらく何周もすること前提で組み立てているんじゃないかと思いますがどうでしょうかね。

まあアラを探せば無限に終わりが来ないので別にしないし個人的には非常に好みと合致するタイプの作品(上記の分類は「自分がそうだから」という理由です)なのでBlu-rayが出たら絶対に買いますけどね。続編もやってくれ〜。

 

まあ一つだけ文句を言うとするならば音響ですね。劇伴自体は非常に良いと思うのですが、その劇伴の流し方に……その……まあ有り体に言えばセンスが無いです。せっかくかっこいい曲を揃えているのに使い方が微妙なせいで盛り上げるべきところが盛り上がらない残念なフィルムが完成しています。

総じて音楽に関してはあまりよろしくなかったな……と思っています。『エヴァ』は言わずもがなな劇伴のセンスですしね。まあ〜言ってなんですけどかなり劇伴を適切なタイミングで流すのは難しいですからね。ここに関してはもうちょっと人を増やしてもいいんじゃないか……と思わなくもないです。

 

まあ些細な問題点を除けば非常に素晴らしい作品でした。よくわからないビジュアル系のアニメ(褒めてる)なので海外で人気が出るのも納得ですね。とはいえ本当に好きになったので是非とも続編をやってほしいですね。『tri』の呪縛から解き放たれんことを……。

 

センコロール (完全生産限定版) [DVD]

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センコロール オリジナルサウンドトラック