アクト-レヴュードライブ

備忘録的なものです。

『プリキュアミラクルユニバース』感想─その出来は正にプリキュアの「春映画」。

映画プリキュアミラクルユニバース主題歌シングル【CD+DVD】

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本当は『キラキラ☆プリキュアアラモード』を見てなかったので観に行く気は無かったんですが、えみるとルールーを見て考えを変えました。

以下感想です。

※ネタバレ注意!

 

 

 

 

 

 

 

プリキュア映画のことは全くわからないので、本作の時系列が果たして『スター☆トゥインクルプリキュア』のどこにくるのか、そもそも正史なのかどうかすら不明ですが、まあそこは春映画リティということで。

 

本作は「ミラクルライトの秘密!」を大きなウリにしていたようですが、別にミラクルライトの秘密が何かわかったりはしません。せいぜい職人がいることと、割と工場制手工業だということですね。

そもそも本作において尺が72分しかないというのが結構致命的なダメージを与えていて、結果的にあらゆる要素が大して噛み合わずにふわっとしたまま終わるという結果になっています。

 

まずメインゲストキャラのピトンですが、彼はここ最近珍しいぐう畜なキャラであり、正直かなり不快です。結果的には彼に非はなかったわけですが、目の前で起こっていることから目を背け現実逃避するだけの役回りはかなりどうかと……。まあラストの方で果敢にミラクルライトを完成させるために工場に向かうシーンは文脈が乗っかっていましたけどね。

ただ、彼に関してはせっかくスター☆トゥインクル組との共通点である「新人」要素をフォーカスするかと思っていたのに、そこらへんをまあまあぶん投げて終わったのはいかがなものかと……。

 

本作ラスボスの宇宙大魔王ことヤンゴに関してですが、あれなんだったんですか。

いや、割と唐突に正体を明かしたのは別にいいんですが、それはそれとして彼に関するアレコレまじで単にぶん殴って終わりじゃないですか。てゆうか取捨選択でミラクル星の生命の種族とかの説明を一切しなかったせいで、ヤンゴがなぜラストあそこにいるのかとか全くわからなくなっているのがすごい。

あと他の人が言っていたことですが、「応援されたい」が目的のヤンゴを説教するのに最適なキュアエールがいるのに全く動かなかったの少し残念でしたね。

 

このツイートでも言及していますが、宇宙大魔王の姿はやたらと「蛇」であることを強調されています。なので、僕は聖書がそこで頭に浮かびました。

聖書、厳密に言えば旧約の方になりますが、においては蛇とは罪の象徴です。そして聖書における罪とは、「利己的な行動」です。つまり、自分のためだけに行動することですね。そしてヤンゴは「自分が応援されるために」行動し、ピトンは当初利己的な行動ばかりしていましたが、想いとは「自分ではなく、他者のためにあるもの」だと気づきます。そしてラスボスの姿は蛇、利他の象徴たる「想い」の形は星、そして光というわけで、ここら辺を整理するとこの映画で言いたかったこと、メタファーとして込められているモチーフが少しばかり見えてくるんじゃないかなと。

このように、伝えたいテーマに関してはかなり真摯に一直線なんですが、それ以外の面が致命的にとっちらかっているので、極めてわかりづらいという欠点があります。まあこれもかなりこじつけ気味かつ、結構昔に学んだ知識を掘り起こして書いているのであっているのかわかりません。

 

まあ真面目な話はこれぐらいにして、作画とレジェンドの話にしましょう。

前述の通り、僕は『プリアラ』を観たことがないのでその方面に関しては一切わからないんですが、『ハグプリ』勢は良かったと思います。

特にルールーとえみるに関しては、最終回でまさかまさかの爆弾をぶち込んできただけあって今回幸せそうな姿を見られて非常に嬉しいです。

 

本作の戦闘面も良くて、映画になって技カットインが新規に描き起こされたりしてたのが良かったですね。あと戦闘のシチュエーションの関係上、全員派手にビーム撃つだけの絵面が割と長い間続いたのは面白かったです。あとスター☆トゥインクル勢の新技が地味に出てきたの良かったです。

キュアスターが実質メインだったのもあって、スターの戦闘作画にかなりの力が入っていたことが伺えます。終盤の両脇パンチからの回転蹴りのカットとかかなり良かったですね。

 

全体的にはまあ多分まともに評価するとアレなんですが、僕は非常に好きですね。何よりアクションが良かったので。春映画に飢えている人は非常に満足出来る出来になっているので是非。

 

映画プリキュアミラクルユニバースオリジナルサウンドトラック

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