アクト-レヴュードライブ

備忘録的なものです。

池井戸潤

『銀行総務特命』感想─組織と人の闇を浮き彫りにする短編集

池井戸先生は作風が幅広いのが特徴の1つですが、そんな幅広さを活かしたのがこの『銀行総務特命』です。※ネタバレ注意! 本作は全八編からなる連作短編小説集で、企業クライムノベルとしての側面を全開にし、幅広く犯罪を取り扱っています。その幅の広さは…

映画『七つの会議』感想─正義を、語れ。再構築の非常に秀逸な名作。

映画「七つの会議」オリジナル・サウンドトラック アーティスト: オリジナル・サウンドトラック 出版社/メーカー: SMM itaku (music) 発売日: 2019/01/30 メディア: CD この商品を含むブログを見る 正直に言います。全く期待してませんでした。 近年の『陸王…

『下町ロケット ヤタガラス』感想─壮大な夢を描く、熱意と誠意の物語。

下町ロケット ヤタガラス 作者: 池井戸潤 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2018/09/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (6件) を見る 先日、ドラマ版が大円団を迎えた『下町ロケット』。その続編二部作の後半であるヤタガラスの感想を書いていきます…

『下町ロケットゴースト』感想─宇宙から大地へ、その壮大な前哨戦

ただいま絶賛ドラマが放映されてますね、下町ロケットゴースト(今はヤタガラス編ですが)。 日曜劇場『下町ロケット』|TBSテレビ で、1年ほど前にやってた『陸王』。僕はあれを事前に原作を3周ほどしてからドラマを見たもんですから、改悪店ばかりが目につい…

『ようこそ、わが家へ』感想─匿名性の恐怖を描く名作

『ようこそ、わが家へ』は、池井戸潤先生の作品です。 僕はこの作品を、2015年のドラマ版から知ったのだが、先日ようやく原作を読む機会に恵まれた。 ようこそ、わが家へ Blu-ray BOX 出版社/メーカー: ポニーキャニオン 発売日: 2015/09/09 メディア: Blu-r…

池井戸潤『鉄の骨』──圧倒的な伏線回収で魅せる、正義の物語

先日、池井戸潤先生の『鉄の骨』を読みました。 池井戸先生らしい、熱い小説だったと思います。 ※ネタバレ注意! 『鉄の骨』は、言うまでもなく正義とは、仕事とは何か?を読者に問う物語です。 談合をベースに、作中で様々な人物が正しさについて疑問を持ち…