アクト-レヴュードライブ

備忘録的なものです。

『劇場版 響け! ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』感想─未来のためにがんばること、明日に繋げることを描く名作。

響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 (宝島社文庫)

記事のタイトルは悩んだりするっと出てきたりするんですが、今回は難産+意味不明のダブルパンチになってしまいました。どうしろと。

『劇場版 響け! ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』、皆さん、まず観たらどうでしょうか。僕のブログ読んでる場合じゃないでしょ。

※ネタバレ注意!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実はテレビシリーズ第2期を全話見ておらず、6話まで+劇場版の浅知恵で挑んだ今回。

 

 

まだ見てない人は……と言おうと思いましたが、GYAOの無料配信は20日までなので意味がないことでした。

 

『響け!』シリーズはその人間関係が主に人気の元(少なくとも僕のTLではそうですが……)ですが、本作は一気に低音パートのみでも4人もの新キャラをぶち込んでくることによってその魅せ方に大きな幅を出すことに成功しています。全員一律で面倒くさいのがなんともといったところですかね。

本作は100分の尺に全てをぶち込んでいるせいで若干尺が足りなかったり駆け足気味だったり視点が凄いことになってたりしますが、それでも本作を名作たらしめているのはその高い演出力に他なりません。

文字通りの「一歩引く距離感」や、各々の生き様というか、それまでの人生を必要以上に語りすぎることなく視聴者にわからせる見せ方は流石の一言。

ストーリーの真面目な感想としては、3年生が抜けて、新しい北宇治吹奏楽部で、久美子達の学年が進んだことによる、「将来」の話が描かれていたのが印象的でした。まあそれが若干なあなあ気味で終わったのがまたアレなんですが。

 

特に好きなシーンが中盤(?)のくみれいシーンなのですが、あそこは実質セックスなんですよ。これに関しては同じく京アニの『フルメタル・パニック!The Second Raid』を見てもらえると僕の言いたいことも多分理解できると思うので、貼っておきますね。

 

 

それにしたって、男と女が揃えば、やることは一つ、と、言わんばかりにどうせ来ないでしょ……とタカをくくって山の上で自棄吹きしてる麗奈は流石に笑いましたが。お前の貞操感覚どうなってんだ。

 

本作で実質メインキャラに配置されている久石奏、流石にメインキャラだけあって精神の構造が一人だけ流石なんですよね。

敵を作らないことが彼女の行動原理であったことが終盤(?)明かされますが、その割に久美子に散々ケンカを売るような言動をしたり、自分の思い通りにことが運んでないと見るや、速攻で不機嫌そうな顔をしたりと、「こいつ人格破綻でもしてんのか?」って面持ちで観てましたが……ああ、書いてて気づきましたが、この人、自分以外は果てしなく場を引っ掻き回すように立ち回ってんですね。自分に関しては波風立てずにすませるようにしてるわりに、みっちゃん辺りなんかはカオスになるように立ち回ろうとしていたわけで。まあ、これに関しては有識者の意見が欲しいと同時に、もう一度ちゃんと確認したい、というところがあります。

しかし、久石奏は、ラストシーンで「悔しい」と言う、という、ある種『響け!』における最大の象徴のような役割を担っていたのでその点大満足ですね。麗奈+久美子アナザーとしての完成度が高い……。

他の一年の方々も非常に、まあ、よろしい方々が揃っておられて、非常に楽しかったですね。

「だってぶっちゃけ加藤先輩私より下手じゃないですか!」ことみっちゃんとか、エンジョイ勢のさっちゃんとか、まるであすか先輩の焼き直しみたいな立ち位置(ちゃんと差別化はなされてます、念のため)の月永くんとか、ユニークなキャラが多くてびっくりです。

久美子がしっかりとあすか先輩の影響をバリバリ受けまくってるあたりも非常に良かったのですが、それも含めてちゃんと成長していることが感じられたのがとても、そう、なんというか嬉しいですね。何様だ?

 

そして観て初めて知ったんですが、『リズと青い鳥』って『〜誓いのフィナーレ〜』と同じ時系列だったんですね。『リズと青い鳥』の方がそんなことを微塵も感じさせない内容だったのでものすごくびっくりしました。

リズと青い鳥』は閉鎖的な空間を演出していたわけですが、『〜誓いのフィナーレ〜』が副読本として存在するおかげで鎧塚みぞれがいかに傘木希美しか視てないかが逆説的に証明される構造になってるのがすごい。ラストのあれ、何?(剣崎梨々花さんは本当にいい人ですね……)

 

 

そして京アニ作品を語る上では避けられない、作画力も、劇場版ということでそのクオリティを発揮しきっていました。……が、京アニの弱点である、「そもそものクオリティが良すぎるので劇場版になってもテレビシリーズと大した違いが発生しない」が今回も漏れなく起こっていたのは笑いましたね。

まあ冗談はともかく、群衆がCGだったり手書きだったりしてたわけですが、やはりラストの演奏シーンは非常に良かったです。

京アニ、あくまでも実写的なカメラワークで見せることに拘ってるっぽいというか、実写的以外の何物でもないので、所謂アニメ的なダイナミックなカメラワークがあまり少ないのが不満点なんですよね。『フルメタTSR』とかもろそんなんだったんですが。まああれは洋画オマージュという点を含めれば正しい気もしますが。

まあとにかく、作画クオリティはやはりというか、とても高かったです。これは作画ガチ勢が論議してくださいって感じですが。

 

このツイートの通りで、流石に続けて欲しいですね。あれで終わらすのは、まあ……いやでも、久美子の答えをまだ聞いていないので、ちゃんとそこら辺をやると信じています。

 

最後に。

というわけで、皆さん、『劇場版 響け! ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』観に行ってください。