『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』感想
劇場版仮面ライダージオウ Over Quartzer……満点!
— T.A.W.O. (@CGB_001) 2019年7月26日
Over Quartzer、途中からボロボロ泣いた。
— T.A.W.O. (@CGB_001) 2019年7月26日
泣いたんだけど……さぁ……あれ何?
— T.A.W.O. (@CGB_001) 2019年7月26日
Over Quartzer俺の中では未来永劫の名作なんだけど……作ったやつ、マジで許さねぇからな?
— T.A.W.O. (@CGB_001) 2019年7月26日
※ネタバレ注意!
……何書けばいいんですかね?
とりあえずあれだ、敵ライダーは非常に良かったですね。特にザモナス。変身前の登場シーンから、変身時のロケーション、更にはアクションの組み立てまで、元ネタであろうゾンズライダーのそれを想起させるものでした。てゆうか、新規の俳優さんでよくあれだけ似てる雰囲気を作れたな……。
ゾンジスは割とZOよりかな、というイメージですね。スタイリッシュなイメージの。はい。ネオライダー『ZO』しか観てないです。
バールクスも、まさかラスボスだとは思いませんでした。が、ブラック+RXの要素がしっかりと出てたので満足ですね。それにしてもバイオライダー+Jで無双し出すとは思わないでしょ。
あと今作は特撮が非常に素晴らしかったですね。流石に劇場版クオリティと言うべきか。特に恐らくドローン撮影のシーンが全体的に増えているのは良いですね。やっぱり人間の動きだと限界が……(『ZO』のバケモノ一発撮りが想起される)……ありますからね。アクロバティックな構図が簡単に見れるようになったのは素晴らしいことです。僕は基本懐古厨なのですが、そういう点は素直に褒めたいです。
まさかの平成ライダー全員集合も見れましたし、特撮面では非常に素晴らしい傑作なのは間違いないでしょう。ええ。
……
「平成ライダーが不揃いでめちゃくちゃなのがいけないんだ」
確かこんなこと言ってましたね。正確なセリフを忘れてしまった……もう一回、まあ『ジオウ』が終わった後には確実に行きますけどね。
はい。ストーリー面の話をしていきたいと思います。嫌だ……。
今作は戦国時代に行ってクリムの先祖を守るのがメインパート扱いですが、それはオマケ……というか前振りでしかありません。未だ終わっていなかったドライブ編を終わらせ、ジオウの旅が完結した時、本当の『仮面ライダージオウ』が始まるのです。
大方の予想通り、結局ISSAが常盤ソウゴ……いや、SOUGOでしたね。そこはいい。そこまではいい。歴史の管理者クォーツァー。こいつらが曲者すぎる。
この映画何が凄いって「平成ライダー」の映画なんですよ。クォーツァーは歴史の管理者。歴史を本にまとめるように、綺麗な形で揃えて後世に並べ立てていく役割を果たしていると考えられます。これは本編から読み取れることですけども……。だからウォズは「見ている人」なんて発言も「平成ライダーが不揃いすぎるとクレームが来た」という趣旨の発言もできるわけです。僕が送りたいよそんなの。
本作のテーマ的なものは「歴史」と「自分とは」という二つに集約できます。
歴史、それは誰かが生きてきた足跡。けれど、後世には決して正しく伝わらないものなのです。しかし、そこには確かに、過去には確かに生きていた人がいた。誰かが必死に「現在」を生きるからこそ、歴史が誕生していくんです。それは誰かによって定義づけられるものではない。自分自身で、「歴史」は作っていくんです。
そしてそれは、激動の平成ライダーにも当てはまります。
平成ライダーに安寧など決して無かった。胡座をかいて適当なものを作っていれば売れた時代なんてもうとっくの昔に過ぎ去った。だからこそ平成ライダーは一作一作を必死に、一生懸命に作ってきたし、例えそれが不恰好で美しくないものだとしても、誰かの生きた証である。「歴史」になったものである。そういう話なんです。
僕自身平成生まれなので途中で吸い込まれそうになりましたが、それでも、とソウゴが「平成」を肯定してくれて、もうそれでマジで涙が溢れてできて、途中の「平成ライダー」総集合パート……ブレン、ゴライダー、斬月(舞台版)、G、漫画版クウガの五人が出てくる瞬間嗚咽が漏れるぐらいに泣いちゃって……ああ、僕が追いかけてきた、僕の生きてきた歴史は肯定されるんだな、僕が生きてきたことは決して美しくはないけれど、そこに確かにあるんだな、と、勝手に想いを馳せて号泣してました。多分マジで途中からずっと泣いてて画面がまともに見れず困りました。
が……確かに今作は名作で、未来永劫不朽なのですが……それはそれとしてだいぶお出ししてきたものはやばいですよ。ヤバすぎる。
まず本作は極めてコメディ調で話が進行します。過去に行くまでの間も妙なSEが鳴り響き、過去で状況を打開する策もギャグです。あれはギャグだよ。
そして恐らくこの映画一番の問題児がサプライズゲストの存在です。そう、仮面ノリダー木梨猛です。意味がわからない。が、僕は世代ではないので詳しいことはわかりませんが、『ノリダー』を巡る情勢を少し理解していると、それとなく木梨が出てきた理由もわかるかもしれません。
それはそれとして、木梨が言う「平成ライダーに選ばれなかった」と言うセリフはある意味この作品が伝えたいことを端的に述べています。そう、「選ばれなかっただけ」なんですよ。ソウゴは「選ばれただけ」。誰しもが平成ライダーで、誰しもが平成ライダーではない。ある意味で誰もが同じ場所に立っているんですよ。僕も貴方も平成ライダー。そういう風に解釈できる、否、解釈したいです。
まあとは言え、僕がこの映画に対して確かな救済を得たのは間違いないですし、誰かがこの映画を笑っても僕の中の気持ちが揺らぐことはないでしょう。それはそれとしてトンチキ映画文脈のシーンが多すぎて、未だにどういう風に処理すればいいのか全くわからない。
だいぶショックが大きくて映画館でずっと感想検索してます、今。
— T.A.W.O. (@CGB_001) 2019年7月26日
感想を検索してて、人が言ってるのを見て気づきましたが、だいぶインド映画オマージュ的な側面がデカイですねこの映画。インド映画も、そんなに数は見てませんがシリアスとコメディの融合が非常に上手な映画なので。
DA PUMPの主題歌、ふんわり聞こえてくる範囲では確かに「会ってないよな」と思っていたんですが、この映画のテンションと内容を考えるとこれ以上相応しい歌はないんですよ。
歌詞全部泣かしに来てるんですけど、特に
続けることが大事さ
好きこそ上手なれ
つまずいたって構わない
七転び八起きさDA PUMP『P.A.R.T.Y. ~ユニバース・フェスティバル~』より
が一番来ましたね。エンディングもふざけてたのにマジで号泣してましたよ。
そしてゼロワン。彼が一番の問題児では……。冒頭で夢オチ的に出てきて、そしてエンディング後に非常に魅力的なアクションを見せてくれました。やっぱり渡辺アクション監督のアクションは画面を大きく使うアクションなのでだいぶ好きですね。もちろん宮崎アクション監督のアクションも好きですけどね。少ない動きで魅力的に魅せるあのアクションはそうそうできることではない。
てゆうか実質ラスボスがゾンジスなのは予想できませんでしたが……。が、元ネタを考えるとゾンジスがラスボスなのも当然ですね。何故ならば(主に真さんが)恨みを持っていますからね……。
まあ、長々と語ってきましたが、この映画に関する感想は二文字で締めましょう。あと、読んでる人で観てない人はいないと思いますけど、まず観ろ。話はそれからです。それでは。
平
成
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