アクト-レヴュードライブ

備忘録的なものです。

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』感想─「終わり」のその後、残されたものたちが示すヒーローの在り方の物語。

「スパイダーマン:ホームカミング」オリジナル・サウンドトラック

衝撃的な結末を迎えた『アベンジャーズ:エンドゲーム』から早2ヶ月。続編の『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』が早くも公開されています。観てない人はさっさと観に行ってからこの記事を読んでください。つまり※ネタバレ注意

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

観終わった直後のツイートです。よく叫ばなかったなと感心しています。僕に。

本作は『エンドゲーム』後、つまりトニー、キャップ、ウィドウが死んだ後の地球です。そんな感じだからこう、重々しい雰囲気で始まるのかと思ったら……

これですからね。危うく爆笑しましたよ。学生制作ということを除いてもクソ追悼映像すぎるんだよなぁ……。

これ除いても全体的にこの映画酷い(褒めてる)ですからね。まあミステリオが敵なことは最近のMCUのトレンドからも簡単に予想つきましたけど(『キャプマ』とかいい例ですよ)、まさか全て嘘とは思いませんでしたね。まあそこが恐らくこの作品のキモですね。

その話は一旦後にして、全体の話をしていきましょう。親愛なる隣人スパイダーマンの単独映画2作目たる今作ではやっとニックフューリーが復活しますが(あれまで偽物かよ)、それはそれとしてまあまあ話の規模がちっちゃかったですね。流石に前作ほどではないですけど、『エンドゲーム』の直後ということを考えるとバランスもいいのかもしれません。意図的なデフレ、というやつですね。

過去のスパイダーマンは『アメスパ』の二部作(しかも小さい頃なのでうろ覚え)ぐらいしか見てないのですが、全体的にスパイダーマンは「ヒーローとは何か」という話をダイレクトにしてくる印象があります。嘘です。MCUは全部そんなんですね。まあでも中でもスパイダーマンは、過去の諸々があったせいか、一際そういう部分が強い印象です。

前作が新生スパイダーマンのオリジンとしてめちゃくちゃに出来が良かったので、本作も楽しみだったのですが、正直期待をはるかに上回る出来栄えでした。

先述した通り、本作のヴィランが全て嘘の存在、つまりは「作りもの」のヴィランなのが良いんですよね。メタ的な部分にも踏み込んでいて。要するにこの映画ってフィクションじゃないですか。そして敵は作りものを駆使する敵、嘘のヒーローだったわけなんですよ。ピーターはそんな敵(=ミステリオ)と比べてひっじょ〜に地味な活躍しかしてないんですよね。そして本作のピーターの活躍を地味と思った時から、この映画のプロットは効果を発揮し出すわけなんですよ。つまり、派手な活躍をする存在が正しいとは限らなくて、本当にヒーロー足り得るのは地味であっても誰かを助けられる人なんだよ、というテーマがそこにあるわけです。こう、改めてMCUにおけるヒーロー観(というかスパイダーマン?)を提示されたので、こっちとしては平伏するしかないです。

 

ネタ的な話もしていきましょうかね。

トニーが死んで、遺産として残したのは軍事衛星。……は?というわけです。いやまあ、死ぬほどトニーらしいですけどね。てゆうか本作の敵が大体トニーのせいで発生してるのが面白すぎる。『エンドゲーム』とはなんだったのか。あれだけカッコよく散らしておいて死後散々弄りに来るのあまりにも……。

ニックフューリーも最悪でしたね。本物は夏休み満喫してるの最悪すぎる……。しかしあのスクラル(だっけ)達の再登場には驚きました。

本作、先述の通り冒頭がギャグから始まり、ほぼ全編に渡ってギャグが散りばめられているんですが、まあとにかくバランスがいいというべきか。『エンドゲーム』の時も思いましたが、一歩間違えると死ぬほど寒くなる感じの構成なので、そこに関してはマジで上手〜と感心しています。ネッドが付き合うのが一番面白かった。

あとスケール自体はまあまあミニマムでしたが、シチュエーションとかアクションとかは本作も凝ってて良かったです。ありきたりですがラストのスパイダーセンスを発動するシーンがあまりにも格好良すぎる……。

ところで結局嘘だったけどMCU的に多次元宇宙はどうなってんでしょうかね。個人的にはあると思うんですが……まあそれに関しては公式の回答を待ちましょう。

 

割と今年ベストの映画(この時点で)な可能性もあるレベルで良かったので、皆さん早く見に行きましょうね。

 

「スパイダーマン:ホームカミング」オリジナル・サウンドトラック

「スパイダーマン:ホームカミング」オリジナル・サウンドトラック