『イコライザー2』感想─進化した「必殺」、より内面に踏み込んだ続編。
前作『イコライザー』のこと、恥ずかしながら存じ上げてなかったわけでして。そういう意味ではツイッターは非常に助かります。勝手に僕向きのコンテンツの情報がポンポンと流れ込んでくるので。まあ供給過多な面は隠しきれませんけど。
で、本当は劇場に観に行きたかったんですが、10〜11月当時は本当に金欠で死にかけていて映画どころじゃなかったんですよ。多分10月が一番観た映画少ないと思います。そもそもそんな多くもないけど。
なので、Blu-rayが発売&レンタル開始されたこの機にレンタルで観ました。いやー……最高でしたね。※ネタバレ注意!
前作で暴れすぎた影響か、マッコールさんは(多分)引っ越しして転職もしてました。
その職業とはタクシードライバー。どうやら会員登録式の個人タクシーの様ですが、受験期の学生から就職活動中の大学生(?)、戦地に赴く若者から施設入りの老人、権力者までそのお客は多岐に渡る様です。
そしてこのタクシードライバーという職業が、今作において話を回していくのに最高に適しているわけです。サブイベもメインも勝手に転がり込んでくるわけですからね。天才か?
さて、今作はヒーローもののど定番、偽物対本物のシチュエーション(別に偽物も本物もないけど)を採用しています。と言っても、それは終盤のみで、前半から中盤にかけてはマッコールさんとこの作品のテーマの掘り下げがメインです。
それが顕著なのがマイルズくんとサムでしょう。
サムはマッコールさんのいい人っぷりを象徴するかの様なキャラで、マッコールさんは彼の為に元CIAのコネを総動員(というほどでもない)します。
マイルズくんはこの作品のテーマを端的に示した存在で、彼がいるからこそ終盤の展開に説得力が増してきます。
あと個人的に思っているテーマが、「残るものと残らないもの」だと思っていて、それはデイブくんの死に様からみてもわかりやすいんじゃないかと。
ラストのデイブくんが消えたの、マッコールさんとの比較で間違った道には何も残らないと言うことを意味しているんですよ。
— T.A.W.O. (@CGB_001) 2019年2月6日
正しい道を行くマッコールさんのやったことは確実に残る(マイルズくんやあの老人)し、間違った道を行ったデイブくんは何も残らないんですよね。
— T.A.W.O. (@CGB_001) 2019年2月6日
つまり絵画(残るもの)がフォーカスされてることからも想像は容易で、正しい道を行くマッコールさんのやってきたことは、例え彼が消えても、正にあのデパートに書かれた絵画の様に残り続けて誰かを救い続ける。またスーザンも今作では死亡してしまいますが、彼女の協力したサムの妹探しの様に、死してもなお残り希望を与えるものが正しい道、と示唆されているのです。それとは対照的にデイブくんに残ったのは仲間の死体と今後苦労することが確定している嫁さんと子供たちです。(あえて描かないのがいい)(マッコールさんの性格的に助けそうだけど)
つまり間違った道を進んだデイブくんには何も残らず、残ったとしてもそれは絶望だけ、ということなんですよ。ここら辺の差別化もとても上手だな、と思いました。
マッコールさんと……これ言ってもいいよね、悪のイコライザー軍団の対決がラストだったわけだけど、それまでにそれぞれのスタンスの違いをバッチリと描いてたから良かった。
— T.A.W.O. (@CGB_001) 2019年2月6日
要は中盤のマイルズくんの下りが象徴的なんだけど、選んだことに何かを言い訳にして逃げるな、と言う話で。
— T.A.W.O. (@CGB_001) 2019年2月6日
また上のツイートの様に、悪のイコライザーたるデイブくんとマッコールさんの最大の違いとして、選択に言い訳していることなんですよ。
前作で誰かのために殺しをすることを決意したマッコールさんは、決して誰かを、何かを言い訳にはしません。しかしデイブくんは「周囲の環境や職種(人種)」を言い訳にして現在の「悪のイコライザー」の位置に落ち着いています。
これの対比を補強する役割が中盤のマイルズくんとのシーンで、マッコールさんの献身的な補助がありながらも、彼は正しい道を、何かを言い訳にすることなく選択できました。まあでもマイルズくんがあそこで殺しの道を選んでたら笑顔で殺してたと思いますが……。
あと、
イコライザー2、マッコールさんは確実に私怨でラスト動いてるけどマイルズくんを噛ませることでそこら辺をうまく誤魔化す手法。
— T.A.W.O. (@CGB_001) 2019年2月6日
逃さないのはこれです。
マッコールさんは正義感からくる復讐心で確実に行動していたと解釈していますが、そこにマイルズくんが噛むことでうまく誤魔化されているんですよ。これは非常にうまい手法だなと思いました。
と、まあ延々と考察的ななにかを語り続けてきた訳ですが、当然アクションシーンも良かったです。
確かに前作と違って何というか、「ホームアローン的」なアクションではなくなっていましたが、そのエッセンスは確実に残っていて、終盤の住宅地での戦いが正にそうですね。淡々と粉塵爆発の用意をするマッコールさん。
まあ前と同じことをしてもしょうがないですし、今作のアクション確実に予算が増えたことが実感できるいいものだったと思います。派手だし。
時計のシーンが減ったことに対しては、そもそもあれはマッコールさんの几帳面な性格を補強するためのシーンだと思っているので別に減るのも納得です。19秒も同様ですね。そもそもあれをフォーカスする理由もよくわかりませんが……。
総評としては、前作を承けて繰り出す続編としては完璧なものだったと思います。Blu-ray発売のタイミングなことですし、皆さん是非買うならレンタルなりでみてくださいね!
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