『serial experiments lain』感想─「一連の実験」が示すものとは。
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最近、作業のお供に『serial experiments lain』を完走しました。
まあ当然というべきか、作業の方に全く集中できなかったわけですが、僕にとってはそれだけ面白かった作品でした。
※ネタバレ注意!
『serial experiments lain』、僕はアニメ版のみを視聴したわけなんですけど、それだけでも十分面白かったというか、考える余地というか、そういうものはありますね。
岩倉玲音という少女がハッカーとしての才能を開花し、ネット世界のワイヤードにのめり込んでいく様を描くこのアニメは、1998年の作品でありながら、現代社会の──僕がこれを書いている2018年現在の──人間を非常にリアルに描いていたように思います。
代表的なものとしては、8話で描写される好き勝手なことを喋る口だけの人々など。
あそこは、僕もツイッターのようだな、と感じました。
他にも、ネット上で、メタファライズ──実体化させたアバターを使ってコミュニケーションを取るなど、現代でいうVRチャット的な表現がなされていたり
そもそも第1話から、授業でC言語を取り扱ったり(僕はアレが何かわからなかった)、音声認識でマシンが動作したり
と、かなり先鋭的かつ予見的なもの作品で、それはストーリー面にも現れています。
作中で何度か言われる、ワイヤードはあくまで現実の補助的な役割でしかなく、現実──リアルワールドにはなれない、と言った趣旨の内容は、まさにその通りで、現代でもそれがわかっていない人は意外と多くいます。
また、作中通してのテーマとして扱われる、人間の存在とは記憶の中の認識によるものに過ぎない、という解釈から来る作中での描写は、なかなかに凄まじいものがありました。特に、記憶は記録に過ぎず、ならば記録を書き換えれば存在は消えるものである、という定義による最終回の展開はかなり驚かされました。
これから他のメディアや、各種考察サイトやスタッフの証言などを漁っていくことになると思うのですが、それでもアニメ版のみでも凄まじい印象とインパクトを与えてきたこの作品、確かに人を選びますが、僕は非常に面白かったですし、気に入った作品です。
まあ理解したフリで楽しむのが一番だと思いますけど。
lainの世界には、いつ到達するのか。そんなことを考えてしまうほどに、僕はlainを楽しめました。
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