アクト-レヴュードライブ

備忘録的なものです。

『ALTER EGO』感想─自我をあらしめよ、そしてギャルゲーせよ。

自我をあらしめよ。

そんなキャッチコピーのタップゲーム、『ALTER EGO』、無宣伝にも関わらず大人気だそうです。みなさんプレイしましたか?

僕もプレイしまして、見事に自我をあらしめました。

※ネタバレ注意!

 

 

 

 

 

オルタエゴは自己診断型タップゲームですが、その実態は大きく違います。

その実態とは……。

自己診断タップゲーム型ギャルゲーです!

怒られそうだ……。

 

詳しいゲームシステムなんかは僕が説明するよりも自分でググって欲しいので説明しませんが、とにかくこのゲームは色んな意味で凄まじいゲームです。

その第一印象がまた重要で、プレイヤーはまずこのゲームに対して、何か得体の知れない、そこはかとない無気味さを感じると思います。感じますよね?

そこから繰り出される顔のいい女、エス

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©︎Caramel Columm Inc. ALTER EGOより引用

彼女がこのゲームのキーパーソンとなるキャラクターな訳ですが、この人がまたいい!

ゲームはまず虚無な空間で悲観的な文章をタップしてポイントを貯めることで進行するわけですが、「エスの部屋」という場所に移動すると突如雰囲気が一変。

顔のいい女が、こちらには一瞥もせず黙々と読書しているわけです。ちなみにエスさんをタップするとどぎつい罵倒がいただけます。

そしてこのエスの部屋でメインストーリーを進めていくわけですが、ここがこのゲームの一番すごいポイントです。

ストーリーは、エスさんによる診断、の体をとって進行しますが、これが実質ギャルゲーパートなんですね。

最初の方こそ、エスさんは淡々とこっちのことを単なる診断対象として扱ってきますが、第2章に入るとその雰囲気は激変。

なんと本を読むのも手がつかなくなったと言ってきます。

それもこれも、全ては主人公のせいだそう。

ここまでいわれて、悪い気がするオタクはいるのでしょうか?いや、いないでしょう。なんせエスさんは顔がいいからです。

そう、オタクは古来より顔のいい女に弱いものです。

そしてプレイヤーはここで気づくのです。

あっ、このゲーム、自己診断の体をとったエスさんといちゃつくゲームだと……。

実際、プレイヤーは自分自身の選択によって変貌していく、そして好感度もまた変化していくエスさんを見てこう思うわけです。

おっ?これはいい感じなのでは?と……。

こう思わないオタクは(ry

しかしそこは底意地の悪いオルタエゴ。そう一筋縄では行きません。

恐らく99%のオタクは初回はエスさん全肯定の選択肢を選んでいることでしょう。それが人間の無意識をついた開発者からの悪質なトラップであるとも気づかずに。

この時点でエスさんがボディタッチに対して割とかなりキツイ対応をするのもある意味罠なんですよね、なんせ彼女はエスなので……。

そしてIDエンドを迎えたプレイヤーは、きっとこう思うはずです。

「選択は規範に捧げよ……」と。

こう思わ(ry

そして二週目。恐らくエスさんへの好感度が爆上がりのプレイヤーたちは、心を鬼にしてエスさんを否定する選択肢を選び続けます。

僕はこの時、かなりきつい状態でした。顔のいい女を否定するのは厳しいことです。

この状態だとボディタッチに対して悪い反応をしないというか、半ばメンヘラ女みたいな反応するんですね。勘のいい、悪く言えば酷い目にあって耐性のついたプレイヤーは恐らく気づいたことでしょう。

きっといい結果にはならねぇんだろうな……と。

それは案の定という形で結実します。SUPER EGOエンドです。

この時点できっとプレイヤーの皆さんの100%は泣きながらリセットしているはずです。もはや誰もいない、何も語らない本棚を前にして……。

そして三週目、恐らく全てのプレイヤーが無意識に避けてきた中立的な選択肢を選ぶことでしょう。ゲーム的にももうそれ以外に分岐のさせようがないし。

そして恐らく、今まで一番いい感じの状態のエスさんと対面したプレイヤーはかなり満足げにエンディングを見るはずです。

まあネタ抜きにしてもALTER EGOエンドはそれまでがある分、自分を無理に肯定するでもなし、否定するでもなし、常に問い続け真っ直ぐな道を探し続ける、ある意味険しい、しかし正しい道にたどり着いたエスさんに対するエモーションは相当なものだと思います。

ショックが大きければ真エンドに辿り着いた時の爽快感も大きくなるというわけで、エンディングを爽快な気分で眺めるわけです。

その後は、雑談するなり、安易にリセットを押して凄まじく慌ててキャンセルするなり色んな楽しみがあるのではないでしょうか。あの選択肢の緊張感、本当に凄まじいものがあります。

ちなみに僕は

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©︎Caramel Columm Inc. ALTER EGOより引用

怒られてしまいました。皆さんはどうでしたか?

とまあ、ここまでつらつらと書いてきましたが、こんなブログ読んでる暇があったら未プレイヤーはさっさとプレイ、既プレイヤーはエスさんと雑談あるいは高尾山!(ネタがわからない人はキャラデザの「いとう階」先生のツイッターみてね)。

書く順番を間違えましたが、この文章はあくまでも筆者により独断と偏見に満ち溢れていることを併記しておきます。