アクト-レヴュードライブ

備忘録的なものです。

『相棒 season17』感想─平成最後に相応しい高い完成度の傑作シーズン。

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season17の関連商品がなかったので代用させていただきます。

色々と衝撃的なオチで終わった『season16』、「衝撃の四年目」や史上初(ではない)3人目の特命係の爆誕など、色々と期待と不安を持たせる要素を持って始まったシーズンですが、いざ始まれば歴代でも屈指の面白さのシーズンだったのではないでしょうかと思います。

※ネタバレ注意!

 

 

 

 

 

 

 

 

今シーズンは亀山くん以来久しぶりの四年目突入の『相棒』のためか、なんというか、『相棒』らしい話が多かったような気がします。シリーズレギュラーに焦点を当てた話も多く、盛り上がりもかなりのものだったと記憶しています。

また、オタクの与太話的なものをすれば、『season17』は凄まじく百合でした。もともと『相棒』は社会情勢や流行などを積極的に取り入れていく傾向がありますが、ここ最近は特に百合が凄まじい人気を集めていますので、そういうことだと……思っていたのですが、前『season4』を見ていたらすごい百合(というかレズ)だったので割と関係ないような気もします。

また、比較的予告の出来が良く、要するにクリフハンガーの出来が良かったのですが、予告編のクリフハンガーをただのクリフハンガーにせず、しっかりと本編でオチをつけるための要素として昇華させてるいるのはさすがというべきです。

 

ただ、諸手を挙げて褒められるかと言われれば割と微妙だった回もなくはなく、具体名を挙げるのは控えたいのでやめておきますが、まあ99%なのかITなのか扱うテーマぐらい定めてからやってほしいですね。

それと、やはり『season17』を語る上では、このイベントを避けては通れないでしょう。

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そう、2代目花の里の女将さん、月本幸子の"卒業"です。

元々の気質からか、結構な頻度で荒事に首を突っ込む傾向があった幸子さんですが、今シーズンでは前シーズンから引き続き幸子さんは少年たちのために奔走することになります。そしてその後の顛末は実際に見て確認して欲しいので特段言及しませんが、とにもかくにも鈴木杏樹さん、お疲れ様でした。

 

内容の話をしますが、今シーズンのOPは非常に良かったですね。毎回毎回新しい演出を取り入れている『相棒』のOPですが、今シーズンは比較的ノーマル目な演出ではあったと思います。それはそれとして、今回のOPも右京さんと冠城の関係性を端的に示したものとなっていますね。冠城は全体的に右京さんのライバル的な相棒として描かれていますが、今回のOPでは愚直にハシゴを登っていく冠城と登ってきた柱に乗って光(=真実?)に到達する右京さん、後から来た冠城をねぎらい二人で笑うカットで終わるなど、今回はよりわかりやすくなったのかなぁと。

そして今回の話は、前述の通り全体的にレギュラーキャラや、過去に登場したキャラに焦点を当てた話が多いシーズンでした。「刑事一人」や、「容疑者 内村完爾」などの直接スポットを当てたものから、「うさぎとかめ」のようなフレーバーとしての過去作要素、「99%の女」「倫敦からの刺客」と言った比較的最近のシーズンのゲストキャラの再登場などなど。

もちろん、それ以外、つまり単発回も非常に良質なミステリーであったと思います。今回唯一の輿水脚本であり、引っ掛けが非常に上手だった「ボディ」や、元旦スペシャルの、全てをひっくり返すギミックの「ディーバ」、思いもよらない繋がりの時間だった「密着特命係24時」などなど、さすがに伊達に10年以上やってるわけではないということを示す良作ぞろいです。

 

今回は本当に出来が良く、満足度も高かったのですが、トリックが難しかったり複雑だったりではなく、人間関係や動機がメインとなる時間が割と多く、そこは長くやってる刑事ドラマの性なのか、と半分諦めで受け入れたりしています。しかし、事件と社会問題を自然にくっつける手腕は見事で、しかも説教くさくなりすぎない程度で取り入れているのは非常に上手だな、と思いました。

 

まあ諸手を挙げて褒められるかと言われれば少し頭を傾けるところもなくはないですが、全体的に本当によかったので総評としては面白かったです。最終回の爽涼感はいいものがあります。シーズン18、あるといいなぁ……。

 

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