アクト-レヴュードライブ

備忘録的なものです。

『ラブライブ!The School Idol Movie』感想─スクールアイドルの、そして9人の少女たちの青春物語の完結編として完璧な名作。

ラブライブ!The School Idol Movie

ラブライブ!The School Idol Movie
 

ラブライブ!サンシャイン!!』にどハマりを起こしたのが1月後半。ちょうどタイミングバッチリに『ラブライブ』シリーズがAmazonプライム・ビデオに追加されたのが2月初旬、そして晴れて本日で『ラブライブ!』系列のテレビアニメは制覇したことになります……多分。

μ'sが5年の歴史(劇場版時点)があることや、Aqoursの元は雑誌展開だったとかは知ってはいますが、僕からすればアニメがオリジンなので(事実、他の世界線だと設定が違うこともあるようですし)まあ他の展開を好き好んで追いかけることはないかと思います。

※ネタバレ注意!

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーリーはテレビ2期最終回直後から。

『サンシャイン』でも語られていた、μ'sのスクールアイドル啓蒙活動がメインの内容ですが、もう一つの軸としてμ's自身の物語の結末があります。

まず冒頭からテレビ同様のハイテンションっぷりを見せてくれて非常に良いです。なんというか、あそこで安心しましたね。

本編前半はアメリカが舞台のはずなんですが、なぜか誰一人としてどこどこの国に来た、と言及する人がいません。だから最初、本当にアメリカ?と疑問に思ったりしました。

まあアメリカ編は希の言語堪能設定が地味に回収されたり海末ちゃんのギャグシーンだったり謎のウェディングルームだったりと見せ場たっぷりですが、何より真姫ちゃんがかわいいです。冒頭の引きで髪をクルクルしてるのもそうですが、お風呂上がりの真姫ちゃんや『Hello,星を数えて』『Angelic Angel』の真姫ちゃん等々、真姫ちゃんのかわいさが存分に発揮されています。最高ですね。

 

当然ライブパートも劇場クオリティで描かれるだけあって高クオリティです。

唐突に変身して歌い出すミュージカルレベルの高い『Hello,星を数えて』や実質テーマソングとして扱われている『Angelic Angel』、超絶ギャグパートの『?←HEARTBEAT』、またしてもミュージカルレベルの高い『Future style』、この映画最大の見せ場である『SONNY DAY SONG』、そしてμ'sのラストを飾る『僕達はひとつの光』と、使用曲は少なめながらもひとつひとつのクオリティは非常に高く、満足度は非常に高かったです。まあ少ないっつっても『サンシャイン!!』と比べて1曲の話ですけど。

どれのここが好き!という話をし出すと本当にブログが万単位になるのでやめますが、単純な楽曲の好き嫌いの話をするのであれば僕は『?←HEARTBEAT』が一番好きです。

 

ストーリーの話をすると、正直それに関しては劇中で全部言った感があるのであまり言うことがない(だから割と内容のない話で繋いでる)のですが、『ラブライブ!』特有の語りすぎるところと創造に委ねるところの使い分けは上手だったんじゃないんでしょうか。

特に今作は最大のファンタジー要素である高山みなみボイスの女性シンガーがいるので、考察的な旨味は彼女に集約されていると言えるでしょう。

彼女に関してですが、僕は一番メジャーであろう「高坂穂乃果の未来説」を押しています。まあ単に極一部しか知らない穂乃果の過去を知っていたり、まるで穂乃果の辿った(辿る)軌跡を語るかのような話ぶりから思っただけです。

それに関連して、穂乃果の「飛ぶ」シーンは『ラブライブ!』全体のテーマを端的に表現しているのかな、と思いました。

自分のやりたいことを、自分の納得行くまで、やり遂げるまでやり抜く。それが楽しいことなら、それを楽しめれば、それはどんなに素敵なことなんだろう、と。穂乃果が飛べるきっかけになったのが音楽であったのも説を後押ししてるように思えます。

 

あとこれに関しては『ラブライブ!』を観たものとしてなんとなく言及しようかな、いやしないかなと迷ったんですが、今作の園田海未の扱い結構アレでしたね。


いや、二期7話のアレは多分製作陣からの海末ちゃんフォローなんですけどそもそもフォロー入れるような状況にするなという話で。その道では実力者と目される京極尚彦監督と花田十輝先生が全体を見通す役割だったのに、ああなるのかぁと少しだけがっかりしましたね。

まあストーリー面はそこまで悪くないんですが、問題はライブパートですね。結局センターに立ったりソロパートがちゃんと貰える曲がなかったのなんとかならなかったんですかね。2年生では一番好きなんですが。そこまで海末ちゃんに対する思い入れのない僕ですら少し不快に思うんだから、当時のファンがどう思っていたのかは推して知るべしですね。

 

本作のエンディングで雪穂と亜里沙がμ'sを語り継ぐ語り部の役割についていたのは笑ったんですが(あれ高3なんすね)、個人的に思ったのは穂乃果たちが3年抜けたあとにやったであろうスクールアイドルに誰も言及してなかったことですね。

いや、たしかに9人揃ってのμ'sですし、たしかに不足していてはアレなんですが、かといってμ'sの人が新しく起こしたグループが全く注目されないというのもどうなんだ?というわけでして。『サンシャイン!!』時空でも全く穂乃果たちのその後の話は出ないですし、まあメンバーの脱退があったりしたグループの残り(言い方悪いけど)が全く話題にならないのリアルだな……って感じでした。

 

まあ本編同様色々と目につく点もありましたが、良くも悪くも『ラブライブ!』の集大成といった内容で、『平成ライダー』の夏の劇場版といった趣があって非常に良かったです。今なら中古でかなり安いようですし、テレビシリーズ見てないって人でも観ても全然満足できる出来だと思います。