『東京入星管理局』第1巻感想─圧倒的画力と密度で描かれるサイバーパンク・東京!
カニバリ(R-18)とか純エロ(R-18)とかULTRAMANのアンソロ(全年齢)とか色々書かれてる窓先生の商業一般単行本と聞いて黙ってる僕じゃありません。特装版の豪華極まりない(これはマジ。調べて仰天した)面々も合わさって、販促効果バッチリでしたね。
前書きはこれぐらいにして早速色々述べて行きますか(前書きのネタ切れ甚だしいな?)。
※ネタバレ注意!
SF自体は好きですがどちらかといえばそれはメカとか要するに外見派(以前書いた記事でも……述べてないかも)な僕からすれば、こういったタイプの作品は非常に好みでして。
まずストーリーから先に行きますか。
本作は目指すべき指針がはっきりしているのが非常に良い点だと思います。案外そういうのがダメな……こういう話はしませんが、まあとにかくわかりやすい、というのは一つの美点です。
それと当たり前というか、SF的メカの設定や種族の設定がしっかりと練り込まれてるのが地味に凄い点です。こういうのをおざなりにせずしっかりと作り込んでるかどうかで作品の完成度は決まるといっても過言ではないと思っているので、単純にそういう面も素晴らしい。登場する宇宙人一人取ってみても歴史を感じさせるというか、そういうものを考えられる土壌を作っているのが凄い。
主役2人もクールアンドビューティーといった感じで、かなりの百合みも含ませつつ、とても好きです。まとまりが無いですが、とにかく良いキャラだということですね。そういう意味ではこの作品も百合SFに分類されるんじゃないんですか?知りませんが。いやでもFile.3のあれはそういう意味でしょ。
ハインもい〜いキャラしてますよ。僕ああいう強いおじいちゃん大好き。
他の入管も一筋縄じゃ行かなさそうな人から割と素直そうな人までバリエーション豊富で良いですね。僕は安易なオタクなのでチャールズとクラックが好きです。ところで局長、しれっと映ってたような気がしたんですけど気のせいですかね。もう一回読みますね……。
まあ〜不満をあえて述べるなら地球人パートの人達が実質空気になっているのが少し残念なところですね。キャラは伝わってくるけれど、何もわからないと同義なので。もっと深掘りするエピソードがあったら良いというか、シンプルにウルトラ的な意味で話にバリエーションを持たせてほしいですね。そしてそれにはやはり人気が必要なので、末長く続くような作品になって欲しさがありますが、それだと完結しなくなってしまうので難しいです……。まあとにかく思ったよりも高校パートが見てみたくなったのでここにお気持ちを書いておきます。多分届くやろ……。
作画面の話を。別に僕は専門家じゃないので話半分に聞いて欲しいですが……。
とにかく作画が凄い。正気か?ってレベルの書き込みのカットが必ず各話に一回はあります。シンメトリーの化け物とか、高次のた……胎児?とか、肉塊のお化けとか。もうとにかく1ページ1ページの情報量がすんごい。僕はこういう表現(全体をバカみたいに褒めるやつ)があまり好きではないのですが(実際には割とがっかりするポイントもあるので)、この漫画に関していえば、少なくとも1巻はどのページ開いてもだいたい書き込みの密度がヤバイです。凄い。
それと、随所に散りばめられたオマージュというかパロディ要素も見所の一つですね。File.1のあいつなんか登場シーンから技まで完全に○ルトラマンのそれですし、『しーくれっと・おぶ・びじぶる・いんびじぶる』のあいつはクトゥルフ的なものを連想させます。それに、今のところのラスボス候補の「顔のある男」は色んなモチーフが入ってて一概にはいえませんが、やはり僕としてはグリーザを連想するところ。ラスボスらしく、ちゃんと主人公を圧倒してくれたのも好感度高いです。
とりあえず読んだ感じ近年ではトップクラスに面白いし作画力(りき)も非常に高いので、今後に期待が持てます。とにかく、もう、僕が祈ってるのは続いてくれェ〜!ということだけですね。これほど続きを見たくなった漫画もそうそうない。なんでかって、そりゃバリエーションが作れそうな土台の話だからなんですが、まあそれはそれです。
みなさん、是非とも「買って」読んでくださいね。
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