アクト-レヴュードライブ

備忘録的なものです。

『キャプテン翼』感想─現代リメイクで蘇る、王道のスポーツ物語。

キャプテン翼 Blu-ray BOX ~小学生編 上巻~ (初回仕様版/3枚組)

キャプテン翼』、原作を一切読んでない状態で、再再再アニメ化が発表されたわけで、制作スタジオがかの『ジョジョの奇妙な冒険』アニメ化を手がけた「david production」がやるというわけで、まあ期待値が上がりに上がっていましたね。

※ネタバレ注意!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全話見た感想ですが……めちゃくちゃ面白い!なにこれ!覇権アニメじゃん!

と、毎話のように叫んでいたわけですが、まあ当然なんですよね。覇権どころかいまだに連載継続している世界的人気作なんですよね。当時は相当な大ブームを引き起こしたことは未だに話を聞きますし、僕も知っているような有名な選手であるメッシやロドリゲスもこの作品の影響を受けたと公言するほどです。

 

実際の作品内容は、まず冒頭からサッカーボールのおかげでトラックにはねられても無傷だった主人公、大空翼(この時点でおかしいといえばおかしいけど普通ですね)が富士山の見える町、南葛に引っ越してくるところから始まります。そして異種競技戦で野球ボールやテニスボール、挙げ句の果てにやり投げの槍まで受け止める(???????)天才的ゴールキーパー若林源三との出会いを、崖の上から若林くんにシュートを打った(???????????)ところから始まります。作者はこの展開、描いていて何かおかしさを感じなかったのでしょうか。

そしてブラジルの元プロサッカー選手ロベルト本郷や、転校生岬太郎との出会いを経て、翼たち南葛小と若林たち修哲小との戦いは同点で終わりを迎えます。ここの、南葛の特訓風景が凄くいいんですよね。ロベルトの地道な特訓を受けて着実に強くなる南葛。単なる荒唐無稽なスーパープレー漫画じゃないんだなっていうのを認識しましたね。

まあそれはそれとして、バー当てオーバーヘッドキックから始まる、スーパープレーはこの頃から健在です。

やはり印象的なのは立花戦の空中戦の応酬や、武蔵戦のスライディング移動、それに最終戦となる明和決勝戦で魅せた必殺技の数々です。

特に、やはり『キャプ翼』三大必殺技の1つに数えられるツインシュートが、シチュエーション合わせて強く印象に残っています。

もちろん、魅力的なライバル達のこともしっかりと記憶に残っています。『キャプ翼』に空中戦を導入した立花兄弟や、雪国出身の努力家、松山、史上初、翼くんを戦意喪失させた病気持ちの天才児、三杉くん、そしてやはり彼を外しては『キャプ翼』を語れない、翼くん永遠のライバルにして友人、日向小次郎くん等々……彼らと様々なテクニックを駆使してゴールを奪い合っていくのが小学生編の大きな魅力です。

ちなみに、まあ常識でしょうが始めて『キャプ翼』でゴールネットを始めて突き破ったのはロベルトです。木ぐらいへし折れないと世界で通用しないと言ったのも彼です。作者、本気でそう思ってるんでしょうか。

 

中学生編に入ってからも、より一層魅力的なキャラクター達が登場します。三杉くん、立花兄弟、松山くんはもちろん、日向くんも引き続き登場、そして新キャラ、南葛と同じ地域の大友中のエース、隼シュートの新田くん、エース殺しの異名を持つ、大阪東第一中、カミソリシュートの早田、比良戸中次藤くん佐野くんBLコンビ等々、魅力的なキャラクターは健在。そしてこの時期から、かの有名な「必殺シュート」が登場し出します。翼くんの代名詞でもあり、ブラジルの一般的なシュート(???????????)、「ドライブシュート」に始まり、日向くんが無断で沖縄に行って津波をぶち破る特訓の末に、コンクリートの壁をも破壊する威力を得た(???????????????????)タイガーシュート」、新田くんの「隼シュート」や早田のドライブシュートの布石用の「カミソリシュート」、立花兄弟の『キャプ翼』三大必殺技の1つに数えられる、現実でやったら普通に反則になる「スカイラブハリケーン、松山くんの結局名前が中学編だとつかなかった「イーグルシュート」等、数々の必殺技が、『ジョジョの奇妙な冒険』をアニメ化しきったdavid productionの作画力によって、めちゃくちゃにかっこよくバンク化されています。この映像だけでも、必見の価値です。

中学生になっても、『キャプ翼』のスポ根みと理論だったプレーは健在で、あいも変わらず熱い、それはもうマジで熱すぎて色々とおかしくなるぐらいに熱かったです。

……が、戦力調整で岬くんと若林くんがナーフされてしまい、南葛はかなりの戦力縮小に悩まされることになります。実際には、翼くん+その他でV2を成し遂げられる程度には余裕がありまくりだったわけですが……。というか、岬くん、若林くんの二大巨頭を欠いた状態でも十二分に面白さを保っていられるのがすごい。

 

ただ、文句がないわけではないですね……まず、他にやりようがないのもそれとなくわかるのですが、全体的に戦力調整がナーフか怪我だったのが不満点ですね。日向くんも言っていましたが、要するに主人公が負けても怪我をしていたからな……となり、また強敵が負けるとこいつは怪我をしているやつに負ける程度だな……となってしまうので、あんまりよろしくないんじゃないかな、と僕は思っています。まあ、そこは翼くんの尋常ではない精神力と薬の力でごまかしごまかしやってきましたが。ワールドユース編以降はそういうのがなくなるのが理想ですね。まあ散々世界の戦力のハードルを上げたので、簡単に怪我とかを使わなくてもよくなると思います。

もう一つは、これは見ている最中は気づかなかったのですが、特に比良戸中以降、つまりドライブシュートが出てきて以降の試合展開の単調化です。有り体に言ってしまえば、「ドライブシュートを打てれば勝てる!→打たせないぞー!」という展開ばかりになった、ということですね。まあ思い出したように「俺たちもいるぞー!」と石崎くん始め南葛のメンバーがちょっと活躍したりしますが、基本的に翼くんと石崎くん以外空気なのであまり効果的ではないですね……。

 

と、やや細かい点を除けば、少年漫画の王道的な展開を地で行く熱いストーリー、ただ突飛なアイデアだけで作られてはいないサッカーの試合展開など、まさに世界の覇権を取った作品なだけはある内容でした。最終回にはシュナイダーも出てきましたし、ワールドユース編にも期待が持てますね。是非とも、Blu-rayやDVDを買ってください!安いですよ!