『コードギアス復活のルルーシュ』感想─文字通りの「復活」、コードギアス完結作として相応しい名作。

アーティスト: 音楽:中川幸太郎
出版社/メーカー: フライングドッグ
発売日: 2019/02/13
メディア: CD
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復活のルルーシュ、遅まきながら観てきました。「復活の扇」だの「ファンサがすごい！」だのはっきりとした評価を見かけないまま(まあこれはTL作りに成功したと言えますが……)での視聴。結果は大満足。想定以上にコードギアスでした。

※ネタバレ注意！

予告とかはあまり観ないようにしてたのでよくはわかりませんが、どうも隠す気が無いようなので言っちゃうと結構最初からルルーシュは出ずっぱりです。これは製作陣の、「復活」に対する真摯な態度と捉えています。

まあ冒頭のキャラ大集合！的シーンで述べたセリフがだいぶ諸々の心中を代弁してるのかなと。あんな支部にありそうな画面観れると思ってなかったもん。あれはシンプルに、こう、平和でよかったです。はい。てかカフェゼロはギャグでしょ。いいのあれ。

謎ナレーション(あれ一回こっきりだったし本当に何だったんですか？？？)挟んでナナリーとゼロの活動を映しつつ、早速テロが起きる流れはもう何というか流石というか。展開が早いのはギアスのいいところです。

早速出てくるめちゃくちゃ噛ませっぽい金髪くんのシャリオ。まぁ実際には結構いいキャラでしたけど。ここで初登場のナギド・シュ・メイン登場時の3Dから手書き作画に移行する流れは違和感がなくてびっくりしました。てかナギド・シュ・メイン、調べて初めてわかったんですけど。

スザク……いや、ゼロの乗る真母衣波(これなんて読むんですか？)は武装等が一切無いにも関わらず、何故か無双します。そういうところなんだよな、ギアスに求めてるものって。

しかし、奮闘むなしく捕まってしまったスザクは拘束されます。ぶっちゃけ言うと、あの拘束ちょっと気合い足りないと思うんですけど？？？

その後はファンサ含めてストーリーが進行していきます。劇場で流れてる予告のシーンもここで大体消費されます。セリフとシーンの再構成上手でしたね予告編……。すっかり騙されました。

ここでの見所は、やはりかなり唐突に出てくるギアスユーザーでしょう。あの津田健次郎さんボイスの露骨な噛ませキャラ、スウェイルくんてす。彼のギアス、C.C.曰く「認識の入れ替え」らしいですが、どうも一定時間で元に戻るみたいですし、C.C.も言ってましたが相当ちゃっちいギアスですね。でも確かに戦場だとあれで十分かも。

ルルーシュと対面したカレンの驚き様は、実質的に視聴者の代弁でしたね。僕だって開始数分で特に隠す気なく出てきて叫びたくなりましたよ。これはどうでもいい自語りですが……。

監獄潜入の時の、「シャリオはC.C.の顔を知らないので普通に見逃す」流れとかは結構うまい！と思いましたけど、なんか無駄にハイテクにバカな流れで監獄潜入して門まで辿り着くの観てると、ああ、ギアスだなぁと安心しましたね。

「神」が死んだCの世界に、主にシャルルとマリアンヌの思念が多分に含まれている残滓がデカデカとあったのは笑いましたね。

そして……劇場に響く「違うな。間違っているぞ」の声！なんか急に画面がキラキラしだす！復活！悪逆皇帝ルルーシュ！！！！！！！

普通にあそこかっこよすぎて濡れそうになりましたね。やばい。

てか復活して早々煽り力全開なのズルすぎるでしょ。あと描写的に、あれコード持ちでギアス使ってますよね？チートすぎません？

と、復活してマジで早々ルルーシュらしさ全開で暴れまわっていく様は本当に良かったです。ここで、あ、この製作陣マジでルルーシュの続編作ってるんだ、と理解しました。

復活して早々、これまでを彷彿とさせる戦略や言論行動、そして覚悟など、ルルーシュが本当に復活したんだな、と視聴者に認識させる演出は本当に素晴らしい。「ファイナル」はマジで吹き出しそうになりました。まあ一番笑ったのはナイトメア戦になった途端めちゃくちゃ情けなく撃墜されるルルーシュなんですけど。

ちゃんと気にかかっていた細かいこと、例えばスザクとの絡みとかの一つ一つもきっちりと拾ってくれましたし、本当に真摯に視聴者に向き合ってくれてると思いますよ。

で、復活させたしルルーシュ側の描写はそこそこに敵側に話が移ったのも高評価ですね。

あの国、結構ヤバめでは？と思わせる描写の数々や、特に言及しないものの相当やばいんだろうな……と思わせずシャリオくんの視界の描写とか、結構予想外の能力だったシャムナ様のギアス……あれなんて言ってたっけな。思い出せない……。

てゆうかほんとにシャムナ様のギアス、クソチート能力すぎて笑うんですよね。なに、自分の死をトリガーに最大九時間前まで時を遡るギアスって。冗談抜きで歴代でも最強クラスのギアスでは……？

終盤の、数十個の戦略プランを用意して、C.C.がギアス効かないのをいいことにひたすらリセマラする流れとかなんかもう、酷すぎて笑っちゃいましたね。はいリセットーみたいな。一体ルルーシュが何十個想定していたのか気になるところですが。ラストの二つ、もう片方なんだったんですかね。未来予知とか？

ともかく、ギアス最大の魅力は、ギアスユーザーやそれ以外との心理戦にあるので、そこら辺を濃厚にやってくれたのは本当に良かったです。

しかしその分、今回はナイトメア戦は結構控えめです。が、逆に少ない分、一個一個のクオリティが上がっている面もあると思うので、ここは良し悪しですね。結構不安事項だった、3DCGで旧来のランスロットや紅蓮の動きができるのか、という部分は、かなり高クオリティに仕上がっていたと思います。亡国のアキトよりもギアス的戦闘の魅せ方に近かったんじゃないですかね。まあでも、2D作画も結構多かったので、そこら辺は特に文句ありません。

しかし、今回ギアスに尺割きまくったせいでナイトメア関連の設定の説明が一切なされなかったのはちょっと如何なものかと思いますが。ランスロットも紅蓮も名前言いませんでしたよ。僕の記憶が確かなら。

それはそれとして、今回の敵役はみんないいキャラでした。THE・噛ませのシェスタールくんや、割と強かったベルク、そして(雑魚)ギアスユーザーのスウェイルくんなどなど。

メイン敵であるシャムナ様とシャリオくん兄妹もよかったですね。書いてて思いましたが、もろルルーシュとナナリーの対比なんですねこの人達。シャムナ様の、つらい明日などいらない、全てをやり直し皆が幸せに、という目的とか、ルルーシュの「明日が欲しい！」に真っ向から喧嘩売ってますし、シャリオくんなんかは、ナナリーと似たような(もっとひどい)境遇でありながら戦う人ですし。

ナナリーとシャリオくんの対比としては、武力に訴えるかどうかの差がまずあるんですが(そこで、力に訴えても何も変わらないという、スザクのセリフが活きる)、そこらへんを突き詰めると記事がもう一本必要ですね。

彼は自分にかかっている責任の重さをしっかりと自覚して死んでいったという死に様がよかったし、想像よりも遥かにいいキャラだったと思います。スザクに執着しすぎですけど。

あとこれは、多分僕の理解力不足だと思うんですけど、やっぱりCの世界関連はなんか、わかるようでわからなかったですね。でも、C.C.の「心を残していくな」は印象に残っています。

ラストの方の、ルルーシュがナナリーをCの世界に救いに行く流れは、誰(複数形含む)が助けてくれたのか、それを考えると、エモいシーンです。

エンディングに入る流れとか、本当に企画の最初の段階から、そのために全てが仕組んであったんじゃないかと疑うぐらい綺麗な流れでしたし。本当にすごいよ、あのL.L.(これに関しては観てね！としか言えない)。

あとこれは外せないのですが、